QSC
SV・エリアマネージャーの一番重要な仕事とは?|QSC改善で本当に必要な店舗マネジメント
QSC Checker編集部
飲食店を多店舗展開すると、SV(スーパーバイザー)やエリアマネージャーという役職が必要になります。
店舗を巡回する。
売上を確認する。
QSCをチェックする。
店長と面談する。
会議に参加する。
本部へ報告する。
SVにはさまざまな仕事があります。
しかし、QSCによる店舗改善という視点で考えると、SV・エリアマネージャーの非常に重要な仕事の一つは、
「発見された課題に対して、店長と話し、適切な改善タスクを決めること」
です。
QSCチェックによって「何ができていないか」を発見することはできます。
しかし、問題を発見しただけでは店舗は変わりません。
その問題を、
「では、次回の調査までに具体的に何をするのか?」
という行動に変える必要があります。
そして、この部分には機械的には判断できない、人間のマネジメントが必要になります。
QSCチェックだけでは店舗は改善しない
QSCチェックを行えば、店舗の問題を見つけることができます。
例えば、
「入店時の挨拶ができていない」
という設問が×だったとします。
問題自体は明確です。
しかし、
「挨拶を徹底する」
という改善指示だけで、本当に次回までに改善するでしょうか。
実際の店舗では、同じ「挨拶ができていない」という結果でも、その原因はさまざまです。
店長自身が挨拶の重要性を理解していないのかもしれません。
新人スタッフが増えて、教育が追いついていないのかもしれません。
店長は指導しているものの、スタッフが実行していないのかもしれません。
そもそも会社として、どの程度の挨拶を求めているのか基準が曖昧なのかもしれません。
同じ×でも、原因が違えば改善方法も違います。
良い改善タスクは「具体的な行動」になっている
例えば「挨拶ができていない」という課題に対して、
改善タスク:挨拶を徹底する
だけでは、具体的に何をするのか分かりません。
これを、
「次回調査までに全スタッフを対象に接客ロープレを実施する」
とすれば、具体的な行動になります。
あるいは原因が店長の指導不足なら、
「挨拶ができていないスタッフに対して、その場で店長が指導する運用を開始する」
かもしれません。
新人教育が原因なら、
「新人研修に挨拶のロープレを追加する」
かもしれません。
重要なのは、課題をそのまま改善タスクにしないことです。
課題=何ができていないのか
に対して、
改善タスク=その課題を改善するために何をするのか
を考える必要があります。
改善タスクを考えることがSVの腕の見せ所
ここにSV・エリアマネージャーの重要な役割があります。
店舗の問題を発見するだけなら、QSCチェックによってある程度仕組み化できます。
点数の集計もできます。
過去との比較もできます。
写真を残すこともできます。
しかし、
「なぜ、この店ではこれができていないのか?」
を考えるには、その店舗や店長を理解する必要があります。
さらに、
「この店長なら、どういう改善方法なら実行できるのか?」
まで考える必要があります。
店長の経験値も違います。
性格も違います。
スタッフとの関係も違います。
店舗の人員状況も違います。
同じ問題に対して、すべての店舗へ同じ改善タスクを与えれば解決するとは限りません。
だからこそ、
課題に対して、ピンポイントで有効な改善タスクを提案できるか。
ここがSV・エリアマネージャーの腕の見せ所になります。
「言うべきことを言う」のは簡単ではない
店舗マネジメントで難しいのは、正しい答えを知ることだけではありません。
相手に、言うべきことを実際に言うことです。
店長に改善を求めれば、
「人が足りません」
「休みがありません」
「今は忙しくてできません」
「会社の待遇が良くないのに、これ以上スタッフに求められません」
など、できない理由が出てくることもあります。
もちろん、本当に人員や労働環境に問題がある場合もあります。
その問題は会社として解決する必要があります。
しかし一方で、別の問題を理由にして、本来話すべき店舗課題から論点がずれてしまうこともあります。
そこでSVが、
「確かに今は仕方ない」
ですべて終わらせてしまえば、QSCチェックで問題を発見しても店舗は変わりません。
SV側にも「言わない理由」はいくらでも作れる
難しいのは店長側だけではありません。
SV自身にも、厳しいことを言わない理由はいくらでも作れます。
「まだ店長との信頼関係ができていない」
「今これを言ったら店長のモチベーションが下がる」
「会社の待遇にも問題がある」
「店長も頑張っている」
「人が足りないから仕方がない」
これらが本当に正しい場合もあります。
だからこそ難しいのです。
配慮することと、必要な改善から逃げることは非常に似ています。
SV自身が「店長のため」と思っていても、結果として言うべきことを言わず、店舗の問題が何ヶ月も残ってしまうことがあります。
SVは成果が見えにくいからこそ自制心が必要
SV・エリアマネージャーという仕事には、店舗スタッフとは違った難しさがあります。
例えば店舗スタッフが出勤しなければ、その日の営業に影響します。
店長が仕事をしなければ、店舗運営に比較的早く問題が現れます。
しかしSVが今日一日、重要な店舗改善をしなかったとしても、その日に店舗が営業できなくなるわけではありません。
QSCも同じです。
今日、改善指導をしなかったからといって、明日突然売上が大きく落ちるとは限りません。
QSC改善の効果は、多くの場合じわじわと現れます。
逆に言えば、改善を怠った影響もじわじわ現れます。
そのためSVの仕事は、
自分自身で「本当に店舗を良くする仕事をしたのか」を問い続ける必要がある仕事
ともいえます。
店舗を訪問した。
店長と話した。
メールを送った。
会議をした。
報告書を作った。
これらはすべて仕事です。
しかし、
「その結果、店舗は良くなったのか?」
という視点を失ってはいけません。
店長との距離感もSVの重要な能力
SVと店長の距離が遠すぎれば、本部から指示するだけの関係になってしまいます。
一方で近くなりすぎれば、
「この店長も大変だから」
「頑張っているから今回はいいだろう」
と、必要な指摘ができなくなることもあります。
良いSVに必要なのは、単純に厳しくすることでも、店長と仲良くすることでもありません。
店長の状況や性格を理解しながら、言うべきことは言える関係をつくることです。
時には褒める。
時には一緒に考える。
時には待つ。
そして必要であれば、厳しいことも伝える。
この判断は、チェックシートだけではできません。
QSCチェックはSVを評価者から改善者に変える
QSCチェックを導入すると、SVの役割も変わります。
従来の店舗巡回では、
「自分が店舗を見て問題を探す」
ことに多くの時間を使っていたかもしれません。
しかし、共通の設問によって店舗状態を確認できれば、
何が問題なのか
は客観的に見えるようになります。
するとSVは、問題探しよりも、
「なぜできていないのか」
「どうすればできるようになるのか」
に時間を使えるようになります。
これは大きな違いです。
SVの価値を、
問題をたくさん指摘できる人
から、
問題を実際に改善できる人
へ変えることができます。
システムがやる仕事とSVがやる仕事を分ける
店舗管理を効率化するためには、人間がやらなくてもいい仕事をできるだけ減らすことも重要です。
例えば、
QSC結果の集計
店舗ごとの点数管理
写真の保存
過去データとの比較
改善タスクの一覧管理
改善報告の記録
といった作業は、システム化できます。
SVがExcelやスプレッドシートへ結果を転記することに時間を使う必要はありません。
その代わり、人間にしかできない仕事に時間を使います。
店長と話す。
原因を考える。
改善方法を考える。
具体的な改善タスクを決める。
必要なことを伝える。
ここにSVの時間を使うべきです。
QSC改善の基本は「調査→改善タスク→次回調査」
QSC改善を複雑にする必要はありません。
基本的な流れは、
① 調査する
↓
② できていない設問を特定する
↓
③ 店長と改善タスクを決める
↓
④ 店舗で改善タスクを実行する
↓
⑤ 次回調査で同じ設問を確認する
というシンプルなサイクルです。
次回調査で○になれば、改善できたことが確認できます。
まだ×なら、
「なぜ前回の改善タスクでは直らなかったのか?」
をSVと店長でもう一度考えます。
そして、別の改善タスクを決めます。
この繰り返しによって店舗を少しずつ理想の状態へ近づけていきます。
QSC CheckerはSVの仕事をなくすためのシステムではない
QSC Checker(QSCチェッカー)は、飲食店・小売店などのQSCチェックと店舗改善をクラウドで管理するサービスです。
店舗チェック、写真付きの指摘、改善タスク、改善報告などを一つの流れで管理できます。
しかし、QSC Checkerの目的はSVやエリアマネージャーを不要にすることではありません。
むしろ逆です。
システムでできる仕事をシステムに任せ、SVが本来やるべき店舗改善に集中できる状態をつくること。
これが重要だと考えています。
システムは「何ができていないか」を整理できます。
しかし、
「なぜできていないのか」
「この店長には何をしてもらえば改善するのか」
を考え、店長と話し、実行につなげるのはSV・エリアマネージャーの仕事です。
まとめ|SVの価値は「指摘した数」ではなく「改善した数」
SV・エリアマネージャーの仕事を、店舗を巡回して問題を指摘することだけにしてはいけません。
重要なのは、その先です。
問題を発見する。
原因を考える。
店長と話す。
適切な改善タスクを決める。
実行してもらう。
次回調査で改善を確認する。
このサイクルを回すことで、初めてQSCチェックが店舗改善につながります。
SVの成果を「何店舗巡回したか」「何件指摘したか」だけで考えるのではなく、
「担当店舗をどれだけ改善できたか」
で考える。
QSCチェックを仕組み化すればするほど、最後に残るのは人と人とのマネジメントです。
言うべきことを言い、その店長に合った改善方法を一緒に考え、店舗を実際に変える。
そこにSV・エリアマネージャーの大きな価値があります。
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