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QSC

店長・SVが管理すべきものはQSCとFL|店舗で変えられることに集中する

QSC Checker編集部

2026/9/1

飲食店の経営では、さまざまな数字や指標を管理します。

売上、原価、人件費、家賃、水道光熱費、広告費、衛生費、消耗品費、採用費など、損益計算書を見るだけでも多くの項目があります。

しかし、それらすべてを店長やSV(スーパーバイザー)が管理すべきでしょうか。

私たちは、店舗で働く店長や、店舗を巡回するSVが特に集中すべきものは、大きく分けて次の2つだと考えています。

QSC管理
FL管理

なぜなら、この2つは店舗での行動によって直接改善できる領域だからです。

店舗管理を複雑にせず、「現場で変えられること」に集中する考え方について解説します。


飲食店の利益には店舗で変えられないものも多い

飲食店の損益計算書を見ると、さまざまな経費があります。

例えば、

  • 家賃

  • 水道光熱費

  • 衛生費

  • 広告宣伝費

  • システム利用料

  • 減価償却費

  • 本部経費

などです。

もちろん、これらのコスト管理も経営上は重要です。

しかし、店長が店舗で家賃を下げることはできません。

SVが臨店して、その場で賃貸条件を変更することもできません。

広告戦略やシステム契約なども、基本的には店舗ではなく本部で検討できます。

つまり、会社にとって重要なことと、店長・SVが店舗で改善すべきことは必ずしも同じではありません。


店舗でしかできない仕事に集中する

店長やSVの時間には限りがあります。

特にSVは、複数の店舗を担当します。

せっかく店舗まで足を運んだのであれば、本部やパソコンの前でもできる仕事ではなく、店舗にいるからこそできる仕事に時間を使うべきです。

そこで店舗管理を大きく2つに分けます。

QSC=店舗の状態を良くする

FL=店舗の利益構造を良くする

この2つです。


QSC管理とは「良い店をつくること」

QSCとは、

Q:Quality(品質)

S:Service(サービス)

C:Cleanliness(清潔さ)

の頭文字です。

例えば飲食店なら、

料理がおいしい。

適切な温度で提供されている。

盛り付けがきれい。

スタッフが気持ちよく挨拶している。

提供時間が適切。

客席やトイレが清潔。

厨房が整理整頓されている。

こうした店舗の状態を管理するのがQSCです。

どれだけ優れた広告を出してお客様を集めても、来店した店舗のQSCが悪ければ、再来店してもらえない可能性があります。

だからQSCは、お客様に選ばれ続ける店舗をつくるための管理ともいえます。


FL管理とは「利益の出る店をつくること」

FLとは、

F:Food Cost(食材原価)

L:Labor Cost(人件費)

を意味します。

飲食店では、この2つが店舗でコントロールできる大きなコストです。

例えばFoodなら、

  • 適正なポーションを守る

  • 廃棄を減らす

  • 食材ロスを減らす

  • 適正在庫を維持する

  • 発注精度を上げる

  • 棚卸差異を減らす

といった改善があります。

Laborなら、

  • 売上に合わせてシフトを組む

  • 不要な残業を減らす

  • ピークとアイドルタイムの配置を見直す

  • 適正人数で営業する

  • スタッフの生産性を上げる

といった改善があります。

これらは、本部が数字を見ているだけでは改善できません。

実際の店舗オペレーションを見て、店長と一緒に改善する必要があります。


QSCとFLで「売上」と「利益」の両方を見る

QSCとFLをセットで考える理由があります。

QSCだけを追い続けると、非常に良い店舗だけれど人件費をかけすぎて利益が出ない、ということが起こる可能性があります。

逆にFLだけを追い続けると、人件費を削りすぎて接客が悪くなったり、原価を抑えすぎて商品の魅力が落ちたりする可能性があります。

だから、

QSC=お客様にとって良い店

FL=会社にとって適正な利益が残る店

の両方を見る必要があります。

簡単に表現すれば、

良い店をつくるのがQSC。

儲かる店をつくるのがFL。

この両方を成立させることが店舗経営です。


店長にすべての経営数値を背負わせない

店舗の損益が悪いと、

「店長なんだから利益を出せ」

と言いたくなることがあります。

しかし、その利益悪化の原因が店長には変えられないものだった場合、責任範囲が曖昧になります。

例えば、会社が高い家賃の物件を契約したのであれば、その判断をしたのは店長ではありません。

本部が広告費を増やしたのであれば、店長がその費用を削ることもできません。

本部が導入したシステムの費用も同じです。

だから店長の責任を明確にするためにも、

「あなたが変えられるものは何か」

をはっきりさせる必要があります。

その中心がQSCとFLです。


SVも同じ。店舗でQSCとFLを改善する

SVの仕事も同じ考え方ができます。

SVが店舗へ行ったときに見るべきなのは、

この店のQSCはどうなっているか?

この店のFLはどうなっているか?

です。

QSCに問題があるなら、設問ごとに問題を特定します。

例えば、

「料理の提供温度が低い」

「挨拶ができていない」

「トイレが汚れている」

という問題を見つけます。

そして店長と、

次回調査までに何を改善するのか

を決めます。

FLに問題があるなら、

「なぜ原価が高いのか?」

「なぜロスが発生しているのか?」

「なぜ人件費が高いのか?」

を店舗で確認します。


原価率が高いだけでは改善できない

例えば本部の数字を見て、

「A店は原価率が2%高い」

ということは分かります。

しかし、それだけでは原因は分かりません。

ポーションオーバーなのか。

発注過多なのか。

廃棄が多いのか。

棚卸が間違っているのか。

まかないやサービス品の管理に問題があるのか。

商品の販売構成が違うのか。

数字で問題を発見することはできても、原因を特定して改善するには店舗を見る必要があります。

これは人件費も同じです。


人件費率が高い理由も店舗にある

人件費率が高い店舗に、

「人件費を下げてください」

とだけ伝えても、良い改善にはなりません。

売上予測に対してシフト人数が多いのかもしれません。

暇な時間帯でもスタッフを残しているのかもしれません。

新人が多く、生産性が低いのかもしれません。

仕込み方法が非効率なのかもしれません。

店長自身がシフトを適切に作れていない可能性もあります。

だからSVは、数字を伝えるだけではなく、

なぜその数字になっているのかを店舗で見つける

必要があります。


人材育成もQSC・FL改善のために行う

もちろん店長やSVにとって、人材育成は重要な仕事です。

しかし、管理項目を増やしすぎないためには、人材育成をQSC・FLと完全に別の目的にしなくてもいいと考えられます。

例えば、

接客が悪い。

だからスタッフへ接客ロープレを行う。

これはQSCを改善するための人材育成です。

人件費が高い。

店長が売上予測に合わせたシフトを作れていない。

だからSVが店長へシフト作成を教える。

これはFLを改善するための店長育成です。

人を育てること自体が目的なのではなく、

店舗を良くするために必要な能力を育てる。

こう考えると、店舗管理はさらにシンプルになります。


店長・SVの仕事を増やしすぎない

店舗管理では、管理項目を増やそうと思えばいくらでも増やせます。

売上。

客数。

客単価。

QSC。

原価。

人件費。

採用。

教育。

口コミ。

販促。

在庫。

衛生。

目標を増やせば、それぞれに会議や報告書も必要になります。

しかし、管理項目が増えるほど、何を改善することが一番重要なのか分かりにくくなります。

店長やSVに求めることをシンプルにするなら、

QSCを良くする。

FLを適正にする。

まず、この2つを徹底する。

その方が現場は動きやすくなります。


本部と店舗の仕事を分ける

会社全体の役割も整理できます。

本部では、

商品開発、マーケティング、広告、出店、契約、財務、システム、ブランド戦略など、店舗の外でもできる仕事を行います。

一方、店舗・SVは、

QSCとFLを改善する。

こう役割を分ければ、

「誰が何を改善するのか」

が分かりやすくなります。

もちろん現実には完全に分離できるわけではありません。

しかし、

本部は店舗が成果を出せる仕組みをつくる。
店長・SVは、その仕組みを使ってQSCとFLを改善する。

という基本原則を持つだけでも、組織はかなりシンプルになります。


QSCとFLは同時に見ることが重要

優れた店舗は、QSCだけが高い店舗でも、FLだけが良い店舗でもありません。

例えば、

QSC 95点・FL大幅超過

なら、サービス品質は高くても利益面に課題があります。

逆に、

QSC 60点・FL適正

なら、短期的には利益が出ていても、店舗品質に問題があります。

目指したいのは、

高いQSCを維持しながら、適正なFLで運営できている状態

です。

だから店長やSVの店舗管理では、この2つをセットで見ることが重要です。


QSC CheckerでQSC改善を仕組みにする

QSC Checker(QSCチェッカー)は、飲食店や小売店などの店舗チェックから改善までをクラウドで管理するサービスです。

店舗ごとにQSCをチェックし、問題のある設問を特定。

写真付きの指摘や改善タスク、改善報告まで一つの流れで管理できます。

QSC管理をシステム化することで、SVが集計や転記作業に時間を使うのではなく、

「なぜできていないのか」

「次回調査までに何を改善するのか」

を店長と考えることに時間を使えるようになります。

店舗管理を複雑にするのではなく、重要なことに集中する。

QSC Checkerは、そんな店舗管理を目指しています。


まとめ|店舗で変えられることに集中する

飲食店経営には、たくさんの数字があります。

しかし、すべてを店長やSVに背負わせる必要はありません。

店長・SVが店舗で集中すべきものをシンプルにすると、

QSCとFL。

この2つに集約できます。

QSCで良い店をつくる。

FLで利益の出る店をつくる。

そして、本部でできることは本部が行う。

店舗でしか改善できないことに、店長とSVの時間を使う。

管理項目を増やすことよりも、自分たちが変えられる重要なものを確実に改善すること。

それが、多店舗運営をシンプルにする一つの考え方です。

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